2.箏の調弦法
ボン「弦が13本あるっていうのはわかったけど、どうやって音をあわせるの?」
さぴ「洋楽器用の電子チューナーで合わせてるよ」

チューナー

ボン「アルファベットだ!Cはドだよね?」
さぴ「そう。英米式はCDEFGAB(ドレミファソラシ)、ドイツ式はCDEFGAHで表されるよ」
ボン「ピアノみたいにドレミファ…ってするの?」
さぴ「それに似てるかも。ポップスとかの曲を弾くときにはドレミファ音階で調弦するときもあるよ。
      お箏には平調子(ひらじょうし)っていう基本の調弦があるんや」
ボン「平調子?」
さぴ「うん。ピアノでは「ドレミファソラシド」の7つの音の並びがいくつも続いてるやんな?
      お箏は「ミファラシドミ」の5つの音の並びになるの」
ボン「音の並び?」

鍵盤図


さぴ「上の鍵盤見てみ。黒いとこと白いとこあるやろ?黒いとこ一つが半音分。
      半音二つで一音(全音)になるの。「ミファラシレミ」っていうのは、音の間隔のことを表していて
      隣の音との関係でみれば「半音、二音、一音、半音、二音」になってるやろ」
ボン「ええっと…あ、ホントだ!」

平調子


さぴ「この音程関係がどの弦から始まっているかによって調子が変わってくるよ」
ボン「じゃあ、平調子はどうなってるの?」
さぴ平調子は"一"、"五"、"十"から始まってるよ。
      ちなみにこの「ミファラシレミ」のある初めの音を宮音(きゅうおん)て呼ぶよ」
ボン「へえ〜あれ?一の弦はちょっと違うよ。五線譜見たら、五と同じ音の高さになってるし」
さぴ「そう。もともとは一と五は同音なん。特にことわりがなければ同音にとるんやけど、
      現代の曲はオクターブの関係にしてることがほとんどやなあ。
      んまあ、今はあまり気に留めやんことにして、
      "一"、"五"、"十"と、"二"、"七"、"為""三"、"八"、"巾"がそれぞれオクターブの関係に
      なってるよな」
ボン「ふむふむ。慣れるまではちょっと難しいなあ…ところで、この5音階って、どこからきたの?」
さぴ「もともとお箏は雅楽で入ってきたものなん。楽箏(雅楽の箏)は合奏ではリズム楽器とされてて、
      一人で練習する時には篳篥(ひちりき)の歌を歌いながら演奏してたとか。
      それが箏の組歌、つまり俗箏の始まりと考えられてるん。
      楽箏の調弦の中に「平調」っていう調弦があるんやけど、それが俗箏の調弦の基になってるん。
      現在の楽調子(がくじょうし)がそれに当たるよ」
ボン「楽調子?」
さぴ「陽音階と陰音階のうち、陽音階、明るい感じの調弦やな」
ボン「平調子以外にもいろいろあるんだね」
さぴ「うん。代表的なのは、平調子から三・八を半音下げて、四・九を一音上げた雲井調子、
      平調子から六・斗を半音上げて、七・為を一音下げた中空調子
とかかなあ。
      ちなみに宮音は雲井調子が、二・七・為で、中空調子が、三・八・巾やで」
ボン「ひええぇ〜っ!頭こんがらがりそう!」
さぴ平調子が基本やから、そこから上げ下げする音を覚えておけば、
      調弦替えもすぐにできるようになるよ。また次回詳しく説明するよ」
ボン「はあい!早速弾いて覚えようっと☆」
    
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