1.箏とは?
◎登場人物
さぴ…箏を習って約7年目。只今試験に向けて勉強中。
ボン…好奇心旺盛。音楽が大好き。得意な楽器はタンバリン。

ボン「コトってどんな楽器なの?」
さぴ「下の写真を見てみ♪」

おこと

ボン「へえ〜結構大きいなあ」
さぴ「全長約180センチくらいかな。通常はが使われてるよ。楽器全体を龍に見立ててるん」
ボン「龍!?なんだかスゴイなあ」
さぴ「龍頭(りゅうとう)、龍尾(りゅうび)とか、龍にちなんだ名前が各部分につけられてるんやで」
ボン「高尚な楽器なんだねえ。弦は何本あるの?」
さぴ13本。手前の低い音から一、二、三…と数えてゆき、11本目を斗(と)、12本目を為(い)、
       13本目を巾(きん)
ていうよ」
ボン「なんで最後の3つだけ数字じゃないの?」
さぴ「それは、昔は「仁智礼儀信文武斐蘭商斗為巾」と呼ばれてたらしく、それの名残やとか」
ボン「弦ってことは、爪で弾くのかなあ?」
さぴ「箏爪を使うの。お箏の世界には大きくわけて「山田流」と「生田流」っていう流派があるん。
      山田流は丸い爪、生田流は四角い爪(写真)を使う。
      うちが習ってるんは生田流で、右手の親指・人差し指・中指にはめるよ」

ことづめ ボン「そうなんだあ。ところで「琴」と「箏」ってどう違うの?」
さぴ「どちらも奈良時代に中国から日本に伝わった楽器
「箏」は平安時代くらいまでは雅楽の中で使われていたん。雅楽で使われているのは「楽箏 (がくそう、がくごと)」て呼ぶよ。それに対して「琴」は弦が7本。
伝来当初は13本の箏は「そう(箏)のこと」と呼び、7本の琴は「きん(琴)のこと」と呼んだん。 でも、後に単に「こと」と呼ぶようになってから「琴」と「箏」の混同が起きてきたらしい。その「琴」は、平安時代末期には衰退していってしもたみたい 」
ボン「弦の数以外に違うところはあるの?」
さぴ箏は琴と違って柱(じ)がある。柱っていうのは各弦に立てて音程調節するコマのようなもののこと。       柱の有る無しで箏と琴を区別しているものもあるけど、詳しいことはよくわからんなあ」
ボン「邦楽に携わってない人にとったら「箏」っていう字はすぐに読めないよね」
さぴ「そうやなあ。 常用漢字じゃないからな。ちなみに、古文中では箏も琵琶もひっくるめて
      「琴」と書かれているように琴は撥弦楽器の総称なん。洋琴(ピアノ)、手風琴(アコーディオン)とか。
ボン「言われてみれば!でも、現代では違いにあんまり気に留めてないよねえ」
さぴ「んまあ、お箏の世界では、琴と箏は別の楽器やったってことは覚えといてな」
ボン「はあい☆」
おこと目次へ戻る トップへ戻る 2.お箏の調子