アリ再び
これもばあちゃん家での出来事。
今日の朝御飯を食べていたらアリを2匹発見した。
「またか!」と思ってふと机の端を見ると、薄焼きせんべいの包みにアリが集っていた。
「もしや!」とめくるめく不安を感じ取り、包みを開けると既に侵入しコソコソ動き回っていた。

私はせんべいにくっついている奴らを片っ端から振り払い、土間に落としてやった。そして、清潔なんぞ問えたもんではないそのせんべいを食べた。
アリがおらんようになったかなあーと思って数十枚せんべいを食べ進めていくと、底にいたのである。つぶすのが面倒だったので最後の1枚は口惜しと思いながらも、包みごと捨ててしまった。今日も昨日に続きアリDayだった。
昼寝をしていると、はるか遠くのほうで動くものが見えた。
あの大きさといい、団体行動といい奴らしかいない。
そこらじゅうに散乱(といっても2、3匹)していた蚊のうちの1匹にアリがまた集って食っていた。

アリは肉食やったのかあと感心している場合ではなかった。
他のつぶれている蚊を見て、ほっといたらこれにもくるやろなあ・・・と即座に掃除機をセットして、蚊もアリも吸えるものは全て吸い込んだ。
畳に埋まりこんでいるアリまでも徹底に駆除するため、ゆっくり大きく力を入れてかけた。
接触不良を起こしていた掃除機で、スイッチを押していなければならなかったので二重に疲れた。

これでアリとはおさらばやー!と意気揚々としていたが、夕御飯の時台所で、空っぽの海苔ビンにしがみついているアリを2匹ほど見た。
私は、ばーちゃんにこれを報告すると、ばーちゃんは
「こんなアリはどこで生まれるんやろなあ」<> という素朴にして無限の答えを有する問いを投げかけられてしまった。
もしかしたら、アリのわき出る穴が家の庭にでもあるんかもなあと、昔アリを殺したらアリ地獄に落ちるという噂があったのを思い出し、このアリ達には例外であることを願った。

この、甘いものに敏感なアリ軍団はつぶしにくいだけでなくしぶとい。というよりしつこい。アリごときに腹を立てている自分もどうかと思うが、これだけ見せられたらイライラするのもしょうがない。

しかし、いちばんの原因は、蚊の死骸を畳の上に放っておいたり、土間に残飯を捨てておくことである。それでも、アリももう少し“配慮”というものを知って、人目のつかないところで食うなり、集るなりする脳を養ったほうがよいと思う。これは何万、何億年後に期待するとして、アリは土の上で暮らしている黒いのに限る。
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